今年の3月、日本の機器メーカーで、韓国からの部品調達業務に長年携わってきた元幹部の方とお話しする機会があった。
その方は、長年、韓国とビジネスを行ってきた経験から、やはり契約書を細部まできちんと記しておくことが大事である、と強く仰っていた。
ある製品について、その一部を構成する韓国側の素材品質が悪く、必要とする性能が得られないことがあったという。その製品は一定の条件下によって、期待する性能が得られない可能性があったが、契約書にはその旨を記載していなかったそうだ。
結果、韓国側の素材品質が要因であったが、要求品質を満たせないということで、製品の納入ができない事態になったという。
ほかにも、通常、相手方に支払う費用というものは、契約締結時の為替レートで換算するものであり、契約以降に為替レートの変動があっても変更はしないものだが、韓国ではウォン安になると、代金の見直しなどを要求してきたという。
このように、「韓国は、後出しで条件を変えてくることが多々あるので気をつけた方がいい」というのが教訓のようだ。
こうした対応は、先の慰安婦問題、徴用工問題における韓国の動きと通じるようにも感じた。日本としては、ビジネスにせよ、外交関係にせよ、こうしたことを想定しておく心構えが必要なのかもしれない。
他方、その方は、日韓政府同士の関係が悪化する一方で、「民間ではそれほど関係が悪化している印象はない」と感じているようであった。
確かに、韓国から日本への観光客もよく見かけるし、K-POPに代表される、韓国文化への国内の関心は依然として高いようだ。こうした雰囲気の中で、日韓関係が好転に向かうことを期待したい。